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「エンドレス・ワーカーズ-働きすぎ日本人の実像」 小倉一哉

エンドレス・ワーカーズ―働きすぎ日本人の実像エンドレス・ワーカーズ―働きすぎ日本人の実像
(2007/11)
小倉 一哉

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著者さんは約20年にわたり、労働時間の研究をされ、現在労働政策研究・研修機構というところにお勤めされているそうです。

厖大なアンケートのデータとさまざまな職種の方へのインタビューを通して、長時間労働の問題を解説した本です。心の病、ワーキングプア、少子化といった今問題になっている社会現象と長時間労働との関係についても書かれており、興味深いです。

「ワーキングプア」や「心の病」についての数多くの本は、センセーショナルで超不幸な部分だけが取り上げられ、読んでいるだけで鬱々としてきます。しかし本書は社会全体から見た目線で書いてあり、冷静に読むことのできる良書です。

目次

第1章 日本の労働時間はどうなっているか
第2章 長時間労働の実態
第3章 なぜ残業をするのか
第4章 長時間労働の心身への影響
第5章 労働時間管理が緩やかな人々
第6章 正社員ではない人々の問題
第7章 有給休暇の問題
第8章 長時間労働の解消のために


内容

○男性働き盛りの二割強の人は週に六十時間以上働いている。-会社外で仕事をせず、休日出勤もしていないと仮定すると毎日四時間以上残業していることになる。

○各国の雇用者の年間平均総労働時間の推移から読み取れること-日本の労働時間は先進国らしくない(基本的に発展途上国は長時間労働で、先進国は短時間労働)

○将来の収入が高まる期待を持つ人は、サービス残業をする傾向がある。しかし、サービス残業時間の長さに対しては収入は影響しなていないようである。

○出生率と性行動と労働時間の関係-長時間労働の結果により、パートナーとのコミュニケーションが確保できない。既婚者の場合、労働時間が長いほど、性行動の頻度が少ない。

○女性の長時間労働の問題-「男女別・総労働時間の長さ別に見たサポートする人の種類数」から見えること

○非正社員の労働時間が長くなってきている-副業をしている人が増えてきているから、であったりサービス残業が増えている、といったようにさまざまな理由から。

○有給休暇の実態

○長時間労働を解消するためには?-労働時間をきっちり把握する、法律、組合、働く側の問題

感想

本当に中立な立場をとっている本です。珍しいのではないでしょうか。

労働の話になると「経営者が搾取している」とか「ワーキングプアになるのは本人の資質の問題である」とか極端なものになりがちです。ですが本書は違います。難しいそうなテーマですが、わりと読みやすいです。

面白い視点だなと思ったのは

多少昇進して収入が多い人は、たしかにサービス残業をする傾向はあるのだが、そのサービス残業の長さと収入は影響しなかった。つまり、働けば働くほど会社から評価され、昇進したり収入が増えたりするとは、必ずしもいえないのだ。



という記述。無理して頑張る真面目な人が心の病にかかってしまう、そういう悲惨なことを防ぎたい、という著者さんの思いが込められているような気がします。

コラムが面白いです。出生率と性行動と労働時間の関係なんてとても斬新な視点だわ!と驚きました。朝7時に出勤、夜11時に帰ってきて夫婦のコミュニケーションがとれるか、しっとりと性生活が送れるかといわれれば、なるほど難しい。きわめて困難ですな。男性もお疲れでしょうし、会話もなくすぐに女性はできませんよ。

はっ、また下ネタでしめてしまいました。いかんなあ。真面目ないい本なのに。


いつも読んでくださってありがとうございます。

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- 2 Comments

同じ本を読んだ者です  

同感です

多読な・・・という言われるように、本当に多くの図書をお読みのようですね。
私はあやさんほどたくさん読むわけではないんですが、エンドレス・ワーカーズは関心があり読みました。
あやさんのたいへん優れた、読解力に感心した次第です。
おそらく著者も、あやさんが感じたように、「中立」を目指して苦労したのだろうと思います。
深刻な問題だからこそ、冷静に議論しなければ事態は好転しないというメッセージなのだろうと思いました。
あやさんの感想を読んで、私とまったく同様にその本のメッセージを理解した方を初めて見つけ、つい嬉しくてコメントしました。
どうぞこれからも多読、続けてください。時々のぞかせいただきます。

2008/01/21 (Mon) 22:38 | REPLY |   

あや@ビジネス書多読メモ  

はじめまして。

ブログを読んでくださってありがとうございます。

「深刻な問題だからこそ、冷静に議論しなければ事態は好転しないというメッセージ」なるほど、そうですね。

また景気も悪くなりそうですし、先行きが不安ですね。

ぜひまたいらしてください。
コメントを残してくださってうれしいです。

2008/01/23 (Wed) 14:05 | REPLY |   

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